現在、様々な理由で、休職されている先生方へ
今回はタイトルのように、いつもとは少し趣が異なる話題です。
バリバリと現役で忙しい臨床を日々実践されている先生方にはあまり馴染みがない話題かもしれません。
今回は医師の休職に関する話題です。また現在休職されている先生に向けた記事です。
ご存知のように医師になるためには、受験を勝ち抜き、医学部の6年間のハードなカリキュラムをこなしつつ、難しいテストやレポートを乗り換え、最後に医師国家試験に合格する必要があります。また卒業後もすぐに初期研修が2年間、その後休む間もなく後期研修が始まり、専門医取得まで3-5年ほど研修を行います。個人差はありますが、受験勉強2年+医学部6年+初期研修2年+後期研修4年と見積もっても、15年近く休みなく走り続けることになります。何とかこなせてしまう人も少なくないため、これらの道筋は平均的なキャリアに考えられていますが、普通にきついですよね。。。ドロップアウトしてしまう先生がいらっしゃるのも無理はないと思います。
先生方の周りでも、受験時代、医学部時代など、途中で脱落していく人を見てこられたと思います。大学受験は受かるほうが少ない環境ですからね。しかし医師免許取得後はどうでしょうか?医師免許取得後の王道のキャリアパスは語られますが、本流のキャリアから外れてしまった医師のその後はあまり知られていません。私は医師免許取得後にやや道からそれてしまう医師を何人も見てきました。初期研修でのハードな研修についていけず、退職した先生。後期研修で初期研修とのギャップに耐えかねて、辞められた先生。体力的な事情、うつ病などのメンタル疾患を発症し、仕事が続けられなくなった医師にも何人も出会いました。
かくいう私自身も激務に耐えかねて、一時休職していた時期がありました。休職中は本当に先が真っ暗で、今まで曲りなりに本流を歩いてきたつもりが、一度横道にそれてしまったせいで、何もかもダメなような気分になりました。医師の仕事を継続していく自信も全く失われ、これからどうやって社会で生きていけるのだろうかと、絶望しきっている状況でした。
しかしその後、何年も時間が経過し、現在は普通に臨床に復帰しています。特に仕事も問題なくやる行うことができています。一度はドロップアウトしましたが、その後縁あってよい研修先にめぐりあい、体調も回復させながら何とか臨床に復帰しています。
いま、激務だったり、身体や心の病気だったり、家庭の事情だったりと、何らかの理由で休職されている先生へ。今は本当につらい時期であると思います。私も同じ経験があります。なので、先生の個々の状況は分かりませんが、つらい気持ちというのは分かるつもりです。とにかくつらい時期は、先のことは考えないで休みましょう。治療が必要な場合は、特に精神科への受診はためらわず行いましょう。医師ほど医者にかかるのに抵抗があるものですが、どんなに先生が優秀でも、今は他のドクターの力も借りましょう。とにかく急性期は休むことです。時期は考えないで、回復するまで、主治医とも相談しながら、十分休養をとりましょう。
医師は、働くことさえできれば、食べていくには困らない仕事です。体調が回復すれば、いくらでもやり直しもできます。そもそも医師免許取得までできた先生方です。必ず大丈夫です。それにはまず焦らないことです。十分休んで、少し社会復帰してみたくなってきたら、少しずつ、自分のペースで働いてみましょう。もちろん主治医の許可が必要ですよ。いきなり今までの現場にフルタイムで無理に復帰するのは慎重に行いましょう。
もし先生が初期研修の途中なら、中途採用をしている病院は意外にも結構あります。病院によっては中途採用の窓口を設けている病院もあります。最初に就職した病院で研修をしなければならない理由はありません。今まで行った研修期間は他の病院に移ってもしっかり引き継げます。なので、最初の病院にこだわらず、先生に合う研修先を探しましょう。自力で難しいケースもあると思いますので、そのようなときは求人会社を利用しましょう。あまり知られていませんが、後期研修はもちろんですが、初期研修の病院探しを手伝ってくれる求人会社もあります。率直に相談しましょう。人の力を借りましょう。数件聞いてみて上手く行かなくても、諦めずに探せばかならず見つかります。見つかるまで探しましょう。場所にこだわらなければ病院は日本中にあります。
後期研修はそこまで大きくない民間病院でも可能なところが多いので、こちらも求人会社の力を借りられます。専門医にこだわらなければ、さらに柔軟なキャリア相談が可能です。フルタイムでなく、週4日などの条件でも研修させてくれる病院もあります。専門医制度について、今後どうなるかはわかりませんが、何より先生が元気に働けることが一番大切です。ご自身の考えとあわせ、どうかご自身を大切にされる選択をしてください。
初期研修を終えている先生ならまずは手始めに、スポット勤務で先生の得意なところから始めるのもいいでしょう。健診での半日バイトでもよいでしょう。まずは無理せず、1回やってみる程度でトライしてみましょう。決して無理せずですが、少しでも働く感覚が戻ってくると、転職活動もはずみがついてきっと上手く進みます。このサイトを見ている先生で、医療脱毛クリニックに興味を持った先生なら、もちろんこちらもオススメです。体力的に不安がある先生でも、基本的に一日座っていられるので、きっと大丈夫です。
いま休職されている先生には慎重に申し上げる必要がありますが、私自身の経験では、休職を経験したことで、尊敬できる指導医との出会い、労働環境が良い勤務先との出会いなど、悪いことばかりではありませんでした。もちろんその時は本当に大変で、絶望しきっていましたが、後から冷静に振り返ると、あの時休職することが出来なかったら、再起不能になるまで追い込まれていたと思います。早めに逃げることができて、助かったと思い直したこともありました。きっと先生方も数年後か時間が経って、冷静に振り返るときに、今とは違った気持ちで振り返ることができると信じています。
何度も言いますが、医師免許と健康な心身があれば、生計を立てることには困りません。必ず大丈夫です。どうか、先生方によい勤務先との出会いがありますように。